人と砂丘の共存

HISTORY

植林による砂丘の草原化

鳥取砂丘は、第二次世界大戦が終結する1945年(昭和20年)までは、旧陸軍の演習地であったところから、自然のままの砂地として放置されていました。大々的な植林は、大戦終結後からはじまりました。

第二次世界大戦後の1948年(昭和23年)から砂丘地内の砂の移動を止め、農地を確保し、集落を守ることを目的に植林(砂防林)を開始し、植林後20数年、保安林はその機能を発揮し、砂の移動は大幅に制御されました。

しかし、砂丘の砂が動かなくなったことで、植物が次第に砂丘を覆いはじめ草原化。

砂丘本来の景観を取り戻すため、1972年に砂丘の保安林を一部伐採。しかし、十分な効果が得られなかったことから、再度保安林を除去。その結果、季節風による砂の移動は認められたが、外来種の侵入を阻止することができず、これらが砂丘本来の植物に取って代わる勢いになってきました。

鳥取砂丘では平成2年ごろに地面が見えないくらい雑草が繁茂したり、松が生えたりしました。中には、背丈2mに達するヨシや柳まで生えていたという記録があります。

鳥取砂丘除草の歴史

その後、美しい砂丘を取り戻そうと、砂丘除草の取り組みが始まりました。1985年ごろ、自然保護団体が草抜きを行ったり、除草剤を散布するなどしていましたが、平成6年には鳥取県や鳥取市、さらに当時の福部村が本格的に除草作業に取り組みました。

ボランティア除草

平成16年から、住民の皆さんと一緒になって美しい鳥取砂丘を取り戻すため、県民との協働で砂丘を守るボランティア除草を行っています。

毎年夏の早朝や夕方、ボランティアによる除草活動を行っています。
平成29年度は、延べ8,000人を超えるボランティアの方のご参加をいただきました。

鳥取砂丘の清掃活動

鳥取砂丘一斉清掃実行委員会は、昭和55年から毎年春と秋に、市民や事業所など、多くの皆様のご参加をいただいて鳥取砂丘の一斉清掃を実施しています。
63回目となった平成23年9月25日の清掃では、85団体、約3,500人の方にご参加いただき1トンのゴミが回収されました。

アダプトプログラム

ボランティア除草の取組をより市民レベルの活動に定着させ、持続的なものとするため、平成18年からアダプトプログラム(一定の区域を里親のように責任を持って担当する仕組み)を導入しています。

現在では、たくさんの企業団体や個人がこの取組に参加しています。